白内障について

白内障とは?

 私たちの目玉は、直径約24㎜のほぼ球形をしていて、ピンポン玉くらいの大きさです。
 構造としては、よくカメラに例えられます。カメラのレンズにあたる「水晶体」は茶目(虹彩)の裏側にあり、直径9㎜厚さ4㎜程度の凸レンズ(どら焼きのような形)をしています。この「水晶体」が年齢とともに白く濁るのが、「白内障」という病気です。

緑内障とは違うもの?

 名前は似ていますが、「緑内障」は眼球から脳へつながる視神経が悪くなり、見える広さ(視野)が欠けてくる病気です。白内障とは別のものです。

白内障の症状

 カメラのレンズの働きをする「水晶体」が濁るため、最終的には物が見えにくくなり視力が低下します。初期の症状としては、まぶしい、かすむ、物がだぶって見える、ライトの周りに光がにじんで見える、以前よりも手元が見やすくなり老眼鏡がいらなくなる、など人によって様々です。
 ちなみに、白内障だけでは痛みや充血はありません。黒目(角膜)の周囲が白く濁るのは、「老人環」と言って、白内障とは違います。

白内障の治療

 白内障は老化現象なので、自然に良くなることはありません。手術する程ではない軽症の場合は、進行をゆっくりさせる目薬を使います。日常生活で見え方に不自由を感じたら、手術で治療します。

手術の流れ

診察
視力検査や診察にて手術が必要と判断した場合、患者さん本人へ説明し、手術や日程などを家族とも相談されるようにおすすめします。


術前検査
目の状態を詳しく検査し、眼内レンズの度数を決定します。
お体の検査は、当院では行いません。かかりつけの内科などと連携して、手術の準備をおこないます。


手術説明
本人・家族同席にて、手術の説明を行います。


手術当日(火曜午後)
来院後、ひとみ(瞳孔)を広げる目薬や抗生剤の目薬などを複数回点眼し、手術の準備をします。
手術は、目だけの局所麻酔(点眼や局所注射)で行います。
「濁った水晶体=白内障」の全体を取り除き、無くなったレンズの代わりに人工の眼内レンズを目の中に固定します。眼内レンズは一旦挿入したら、通常は取り外しの必要はありません。手術にかかる時間は、白内障の濁り具合や目の状態によって様々です。


術後の安静
術後はしばらく院内で安静にお過ごし頂きます。手術した目には眼帯をお付けします。 帰宅後も無理をせず、ゆっくりお過ごしください。


術後の通院
手術の翌日に受診頂き、眼帯が外れます。術後の数カ月は術後の目薬と定期検査が大事になります。